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インバータは、さまざまな産業機械や家電に用いられています。インバータを取り付けることでモーターの回転速度をコントロールでき、これによって大幅な省エネ効果を得ることができます。
本記事では、インバータが省エネに貢献する仕組みや、省エネを目的とした導入事例について紹介しています。
インバータと省エネの関係について詳しく知りたいという方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
・インバータの導入が省エネに繋がる理由
・インバータ搭載による省エネの事例
・インバータのメリットデメリット
・インバータはモーターの制御で省エネを実現
モーターはオンとオフの機能だけを持つスイッチのようなもので、電力を受けるとフルパワーで動力に変換します。そこへインバータを取り付けると、モーターの回転数を調節できるようになります。照明で例えるなら、オン・オフのスイッチだけだったものに、明るさ調整ができる機能がついたようなイメージです。
インバータの働きにより、モーターは必要な時に必要なだけの電力で稼働します。つまり、エネルギーの余分な消費を抑えられます。
ファンやポンプのモーターは、回転数を従来の90%にすると動力が80%になるのに対し、消費する電力は70%まで下がります。さらに回転数を下げると、省エネの効果はより高くなります。
インバータは、その省エネ効果により多方面で活用されています。
インバータ装置そのものを導入するコストはかかりますが、導入後の費用対効果を考慮すると、メリットは大きいと考えられます。
本項では、インバータを活用している具体例をご紹介します。
製造業の分野においては、生産設備の電力消費の割合が全体の約80%と高くなっているのが特徴です。
排気ファンやコンベアなどにインバータを導入することで、工場での省エネにつながります。
また、Co2排出削減の実現、機械寿命の延長と、企業のイメージアップや利益向上にも貢献します。
インバータを搭載している家電は、電気代の節約が期待できます。ほとんどのエアコンにはインバータが搭載されていますし、洗濯機や冷蔵庫、掃除機、パソコンなどにも使われています。
例えば、エアコンはインバータの働きによって効率よく稼働できます。室内が暑い時は、しっかりと冷房を効かせて冷やしますが、設定温度付近ではそれをキープする程度の運転に落とします。
インバータは電気代だけでなく、快適な暮らしにも役立っていると考えられます。
インバータ導入で得られるメリットとデメリットを紹介します。
まずはインバータで得られるメリットからみていきます。
インバータ導入最大のメリットはなんといっても省エネが実現されることです。
インバータを導入する動機のほとんどは省エネと言っていいでしょう。
インバータは周波数やトルクを変更できます。
そのため、バルブやダンパ等での調整と比べて、無駄なエネルギーを大きく減らせます。
特に、回転機の多い工場などはインバータが大きな能力を発揮できる場所です。
例えば、モーターの回転数を10%落とすと、使用エネルギーを最大で70%程度抑えられます。
水を使用する機械なら、電気代だけでなく、水道代節約にもつながります。
インバータを使用すれば、始動・停止時の振動を抑えられます。
機械で製造している製品にショックや負荷がかかりません。
特に、ビンなど割れやすいものを扱っている場合には、破損の危険を低下させられます。
インバータ使用により、モーターと駆動部を結ぶベルトや変速部などのシステムが省略できます。
そのため、機械全体の小型化・軽量化が可能になります。
インバータ搭載の機械は、東日本、西日本どちらでも使用可能になります。
日本の電力周波数は、東日本が50ヘルツ、西日本が60ヘルツと異なります。
それに伴い東日本の機械は50ヘルツ、西日本の機械は60ヘルツで設計されていることがあります。
例えば、50ヘルツ用の機器を60ヘルツで使用すると、最悪の場合故障や事故につながります。
インバータを搭載すれば機械の周波数を自由に変更可能になるため、地域による周波数の違いを考える必要がありません。
機械の設計を標準化・省略化できる点がメリットと言えるでしょう。
反対にデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
インバータ導入は購入・設置の費用が高額になる傾向があります。
本体価格だけで数万円かかります。
さらに、取付工事の際には、インバータを機器の中に取り入れるため回路の変更が求められます。
電気工事が複雑になるため、それだけ工事費用も上がります。
そのため、導入後の省エネ効果が費用に見合ったものになるかどうか、最初に検討する必要があります。
一般的に、省エネ効果はずっと続くので、長い目でみればお得になると考えられます。
しかし、慎重に費用を計算しておかないと、元をとるまでに時間がかかることがありますので、事前のシミュレーションを怠らないようにしましょう。
インバータからは、他の機械や電化製品に影響を与えるノイズが発生します。
ノイズは電流の波形を歪ませ、機器の動作に悪影響を及ぼす可能性があります。
対策として、コンデンサと呼ばれる電子部品を取り付ければ、ノイズの発生を抑えられます。
しかし、コンデンサにも寿命があります。
ノイズを防止し続けるには、定期的なコンデンサの交換が必要になります。
他に、インバータをケースに入れたり、機器の電源に専用フィルターを取り付けるといった対策がありますが、いずれも追加の費用が発生します。
商用周波数を使用した場合に比べ、騒音が大きくなります。
インバータ出力の関係上、トルクの負荷が周期的に変動する脈動トルクと呼ばれる現象が起きるためです。
ただ、騒音といっても若干大きくなる程度なので、そこまで大きなデメリットにはならないでしょう。
いかがでしたでしょうか。インバータの導入がなぜ省エネに繋がるのか、その理由をお分かりいただけたかと思います。
インバータは産業分野でも、私たちの日常生活においても、電気の消費量を減らしてくれます。この記事が、インバータの仕組みを知るきっかけとなれば幸いです。
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